ビールにまつわるドイツ発見
発見のツアー:長生きするホップ、モルト、水!
ドイツの歴史古都を巡るハイライトとして、大聖堂、居城、宮殿の庭園などよりも魅力的なものがあるでしょうか? 訪問者の嗜好にもよりますが、ひとつあります。ドイツのビールです。ドイツ人がビール好きであることはご存知だと思います。そして、これほど多くの醸造所があることにも驚かれるかも知れません。世界中で愛されている、数千年の歴史ある黄金色の麦芽汁はドイツの国民的な飲み物として考えられています。しかし、ドイツのビールがとても郷土色の強い飲み物であることについては、あまり知られていないようです。ほとんどのビールは、その土地を離れると、手に入れることがむずかしい地方の特産品です。ビールにまつわる発見の旅にでかける楽しさはここにあります。どこに出かけても、聞いたこともないビールが1種類は必ずあると思います。醸造所の訪問やビール醸造家との出会いを通して地ビールを極める休暇の計画を立てるには、コツとセンスが必要かも知れません。
多くのビール愛好家はビールと知り合いになりたいと願っています。ビールを飲む楽しさは、人と交わる楽しさ。何と言っても、地元の人たちと知り合いになることなのです。ドイツには、ミュンヘンのオクトーバーフェストだけではなくても、傑出したビールと知り合える場所が数多くあります。このような珍しいビールの産地を訪問して、地方の特色を発見しませんか。大量生産の全国ビール醸造会社はちょっと避けて、600年以上の歴史を有する家族経営の醸造所に目を向けて見ましょう。ドイツにある醸造所1339社の90%は個人経営。それがドイツビールの多様性の大きな魅力となっています。ビールの味、歴史、そして文化を探索して、これまで味わったことのないドイツの歴史古都のハイライトをぜひ体験してください。具体的な情報は、私たちが提供します。
ドイツの古都 ビール醸造物語り
発見ツアー: 長寿のホップ、麦芽、水
1516年4月23日、ドイツのビール純粋令がバイエルン州法により制定されました。数千年の歴史を持つ黄金色の大麦の麦芽汁は世界中で飲まれていますが、ドイツでは国民的飲み物になっています。ビールの歴史、ビールにまつわる興味深い逸話、ビール関連のイベントはドイツ全土で発見できます。
約6000年前、メソポタミア地域で生まれたと言われるビールは幸運の産物です。紀元前800年頃の遺跡で発見されたビール壺「アンフォラ」を通して、ゲルマン人の祖先はすでに当時からビールを飲む習慣を持っていたことが分かっています。 ビールは最初の頃はなかなか広まらなかったようですが、徐々に大きな成功を収め、世界を席巻します。多くの都市で、それぞれに特徴ある発展を遂げてきたドイツのビール史を探索しませんか。文化的な背景や歴史だけではなく、地域に根ざした地ビールの幅広い多様性にも、大きな魅力が隠れています。
訪問するアクセスも、とてもユニーク。ハイデルベルクとノイブルク修道院間のネッカー川上を毎日数回往復している「ヴァイセ・フロッテ(Weiße Flotte)」船で醸造所に向かうと、雰囲気も一段と盛り上がります(所要時間約30分)。いつの日か、商人たちも醸造の技術を発見することになります。世界的な貿易ルートの発展に伴い、偉大な商人と裕福なギルドの時代が始まり、ビール醸造者も経済発展の恩恵を受けます。1358年に成立したハンザ同盟によって大きく繁栄した多くの都市。ハンザ同盟都市、ロストックでは、今でもビールの伝統を多様な形で発見することができます。1878年創立の「ロストック・ハンザ醸造所(Hanseatische Brauerei Rostock)」は、見学者に開放している由緒ある醸造所です。ロストック動物園の近くにある「トロッツェンブルク(Trotzenburg)」は1899年に開業した老舗のレストランですが、醸造所を併設して2001年に新たにオープンしました。長い伝統の魅力と郷愁を呼ぶ装飾にあふれているのは、自家製ビールも醸造しているロストックの居酒屋「ツム・アルテン・フリッツ(Zum Alten Fritz)」です。船を眺めながら食事を楽しめる、港に面したロケーション。懐かしい銅製のヤカンや赤茶色のレンガを背景に運ばれてくる郷土料理の味は格別です。クラシックなテーブル・セッティングによる饗宴が好きな方々へのおすすめは、ハンザ都市、オズナブリュックの醸造所レストラン「ランペンダール(Hausbrauerei Rampendahl)」です。この醸造所が一体いつ頃開業したのかは不明ですが、ランペンダールがオズナブリュック市で最も古い施設のひとつであることは確かです。建物には18世紀中旬のバロック様式の貴重な切り妻造りが残っています。
冷蔵設備などは存在しない時代でしたが、低温度を保つ環境は通常の下面発酵の醸造工程には欠かせません。そこで、酵母を15~22度の温度で発酵させる上面発酵が開発されました。北ライン西ファーレン州のミュンスター市には、一時期、アルトビール醸造所が150社もありましたが、現在ではわずか1社しか残っていません。醸造所「ピンクス・ミュラー(Pinkus Müller)」です。30年戦争(1618~1648年)が終わる頃になると、フランケン地方の兵士たちは、ほとんどの貯蔵ワインを飲み干してしまいました。そこで、男たちには代わりにビールを提供する案が浮かびます。1643年、ヴュルツブルクに設立された「宮廷醸造所(Fürstliches Hofbräuhaus)」は、現在、当市で最古の会社です。また、荘厳な雰囲気を持った醸造所ならブランデンブルク州にあります。州都、ポツダムの醸造所「ボルンシュテット宮廷(Krongut Bornstedt)」では、1689年から「ボルンシュテット・バッファロー(Bornstedt Buffalo)」ビールが醸造されています。醸造所を見学すると当醸造所の詳しい歴史も学ぶことができます。ポツダムの湖「ユングフェルンゼー(Jungfernsee)」に面した場所には、1791年、フリートリヒ・ヴィルヘルム2世によって建設された「新庭園の酪農園(Meierei im Neuen Garten)」があります。ここでは、由緒ある部屋で多くの名物ビールを味わえます。
BREWING INDUSTRY
Beer varieties and German purity law
However, in the expanding brewing industry, there were naturally some misconducts as well.
Many brewers were exposed as adulterators that wanted to get rich at the expense of the topers. The Bavarian city of Augsburg already began very early to put the lid on the adulteration of beer: The municipal law of the free imperial city had stipulated since 1156 that no beer of inferior quality is allowed to be brewed. Augsburg can claim that the city provides the oldest evidence of middle-class brewing within our cultural area.
As early as 1143 the city of Augsburg passed a purity law. Today, there are still four large breweries in Augsburg. The brewery “Riegele” was founded in 1386 and is considered one of the oldest in the world.
In addition to the long tradition the brewery also has modern offers available such as tours of the brewhouse, beer brewing courses or a beer store that provides you with useful, decorative and funny accessories of the barleyjuice.
The problem with the adulteration of beer existed in other cities, too. This made Duke William IV of Bavaria and his brother Louis X pass a nationwide regulation on the 23rd of April, stipulating that solely barley malt, hops and water are to be used in the production of beer. Within the guidelines of the German purity law is room for significant differences.
This becomes particularly evident in the existence of “Altbier” which is preferably drunk in the Lower Rhine region. This has to do with the mild climate of the region.
There were hardly any refrigeration facilities but these are inevitable for the usual bottom-fermented brewing process. Therefore, a top-fermented brewing process was developed in which the yeast thrivesat temperatures between 15 and 22 degrees.
There were once 150 Altbier-breweries in the North Rhine-Westphalian city of Münster but there is only a single one left today: the brewery “Pinkus Müller”.
ビール純粋令
1516年から今日までの非凡なビール生産
醸造の歴史は、遅くとも紀元前2000年頃から700年頃に終わったと考えられている後期青銅器時代まで遡り、ドイツでも古くから伝わる技です。古代ドイツ人が醸造法を発明したわけではありませんが、ドイツ人はおそらくビールを初めて醸造したヨーロッパ人です。そして1516年には、「ビール醸造には、大麦、ホップ、水以外の成分を用いてはならない」というドイツのビール純粋令の厳守によって、品質が保証されたドイツビールの時代が幕を開けます。1516年まで、最も優れたビールを提供していたのは、ギルドの規則を遵守していた北ドイツ地方の醸造者でしたが、「ビール純粋令」によって一変します。バイエルン人がビールの品質を急激に向上させ、北ドイツのギルドの品質を超えたと評価されることもありました。しかし同時に、醸造業の拡大に伴い、粗悪なビールを販売して、大酒飲みの懐の金で安易な大儲けを図る悪徳業者が数多くいたことも事実です。
2016年はール純粋令の公布から500周年という記念すべき年になりますが、このビール純粋令がビールに関する最初の法律というわけではありません。バイエルン州の都市であるアウグスブルクは、早い時期からビールの悪徳醸造者に対する措置を講じていました。すでに1143年に、アウグスブルクは純粋令に匹敵する最初の法律を発効していたのです。当地の自治体法には、1156年から、低品質のビール醸造を行ってはならないことが明記されています。ドイツの文化圏の中でも、アウグスブルクは品質を保った最古の醸造会社の証が残っている典型的な都市です。アウグスブルクには、今日でも大きな醸造所がまだ4社あります。1386年に創立した「リーゲレ (Riegele)」は世界最古の醸造所のひとつです。
ビールの文化遺産をめぐる旅
ドイツの歴史古都でビールの歴史を探訪
昔は水よりも安全な飲み物だったビール。ドイツの歴史古都は、中世以来ビールが生活に染み付いている町々です。のどが渇いてきましたか? それではご案内しましょう。
ドイツ独特の雰囲気が楽しめるビアガーデンやビアホールは、間違いなく一度は行ってみたい場所ですが、1300を超える醸造所のどこからスタートしたらよいのでしょうか。
ビール探訪の旅でお勧めなのは、ドイツ歴史古都連盟の町です。 地方都市にある、昔からの伝統を培ってきたミニブリューワリーで喉とお腹を潤したら、きっとその町が素晴らしい思い出の場所になることでしょう。