戦禍も免れ、ほぼ無傷で保存された木骨家屋の建物が並ぶ旧市街の町並み。ドイツでは稀有な、歴史の流れを鮮明に体験できるテュービンゲンという町。ネッカー川の中央に浮かぶ牧歌的な中ノ島を歩くと、色鮮やかなファサードを備えた歴史的な建築物が並ぶ美しい景観に心を打たれます。ホルツマルクト広場に聳える司教座教会、16世紀建築の大学の旧講堂、証券取引所、旧修道院の福音主義シュティフトなど中世を思い起こさせる建物をはじめ、ホーエンテュービンゲン城を背景に望む「ネッカーフロント」は絶景です。中でも黄色いヘルダリン塔はロマンティックな雰囲気が漂うテュービンゲンの象徴的建築物です。

また、コスモポリタンという特性を備えながら、伝統を重んじる大学生のライフスタイルが共存しているのもテュービンゲン。知性と遊び心が手を取り合うように、重厚な市役所前のマルクト広場の周辺には、小さなブティック、個性豊かな店舗、スムージィーが人気の学生カフェなどが集まっています。パスタ料理のチーズ・シュペッツレ、レンズ豆、マウルタッシェン、ロースト牛ワイン煮込みなどは、シュヴァーベン地方の郷土料理の定番で、数多くのワインバーでも味わうことができます。月水金曜日に青空市が立つマルクト広場はいつも活気で溢れ、地中海沿岸の街のように、夏の長い夕べは夜遅くまで多くの人たちで賑わいます。